分譲と中古

分譲地に建てられた住宅も分譲マンションも、最初にそこに住んでいた人が引っ越して売りに出されれば、それはすでに単なる中古住宅、あるいは中古マンションです。
前回述べたような分譲地ならではのメリットは、分譲地を購入してマイホームを新築するその人にとってのメリットであり、中古住宅として購入する人のメリットとは言い難くなるでしょう。

不動産情報では、この分譲と中古をはっきりと区別して表されています。
分譲地の場合は、中古になっているときには住宅が建てられてしまっているので、当然“土地”を意味する“分譲地”の名で売られてはいませんが・・・

分譲マンションが例え中古であっても分譲マンションであることには変わりありませんが、言葉上の意味は例え同じでも、分譲マンションには新築というイメージがありますからね。
また、逆を言えば中古マンションとして売られている不動産とは分譲マンションだと考えることができるでしょう。
不動産業界において分譲の対義語は賃貸ですが、マンションが売られている時点で賃貸ということはありえませんので。

分譲マンションや分譲地を新築で購入したくとも予算の関係上不可能な人が次に選択するのが、かつては新築であった今は中古の不動産です。
中古と称されてはいても分譲不動産であることは変わりありませんし、新築に関すること以外のメリットが失われているわけではありません。
マンションの場合、賃貸とは違いリフォームだって可能のため、例え中古でもマイホームにするに足るメリットはあるのです。

分譲地(新興住宅地)のメリット

分譲地というのはこれから購入者が次々とマイホームを新築していく土地の集まりですから、言い方を変えれば新興住宅地ということになります。
新興住宅地の新築マイホームというと、若夫婦の憧れでもあるのではないでしょうか。
分譲地には住みやすくオシャレな現代住宅ということもさることながら、新興住宅地ならではの以下のメリットがあります。

分譲地を購入する人々というのは、何故か世代が一定しています。
結婚して間もない若夫婦であったり、小さなお子さんを持つ家族であったり・・・
理由としては、おそらくローンの支払いが考えられるでしょう。
35年ローンを返済し終わる年齢を逆算すると、ある程度歳をとっていると分譲地なんてものを購入する余裕はありません。
ですが、若いうちなら大変さはあっても早いうちに完済できますし、何より結婚や子供が分譲地と新築マイホームを購入する転機となり得ます。

これが全てではありませんが、新興住宅地に若夫婦が集まり易いのはそのため。
つまり、出来たばかりの新興住宅地というのは比較的若い世代の家族が集まる地域となり易いのです。

また、生活水準も一定しやすい傾向が分譲地にはあります。
ひとつひとつの土地の広さによる価格の違いはあっても、同じ分譲地なのだから価格は似たり寄ったりで、そこに建てられる新築住宅の価格も大きく異なることはありません。
同じような分譲地を購入でき、またマイホームを建てられる収入がある家族ということです。

こういった世代や生活水準の共通点は、新興住宅地の注目ポイントになります。
優越感も劣等感も生じにくいため、親密な近所付き合いが可能で、また子供たちも友達と共に育つ環境となるのです。

分譲マンションの月々の支払い

分譲マンションとは賃貸マンション(或いは賃貸アパート)と対義的な方法で消費者に提供している不動産です。
賃貸であれば部屋の所有権は大家さんが持ったまま、居住権のみを利用者に“貸す”ため、月々家賃というものを支払わなくてはなりません。
対し、分譲マンションは部屋を所有権ごと購入してしまうものです。
最初にまとまったお金を支払ってしまえば部屋は自分のものですから、賃貸のような月々の家賃がありません。

しかし、分譲マンションとはいえ、何も支払わなくて良くなるのかというと、決してそんなことはありません。
マンションの部屋ひとつひとつはそれぞれの居住者のものですが、マンションという建物は違います。
廊下や入り口などは共用部分なので、居住者ひとりひとりではなく共同で、あるいは管理会社に管理してもらわなくてはなりません。
その管理に必要なお金は月々支払っていく必要があります。
それが管理費や修繕積立金と言われるもので、賃貸マンションでも月々支払っていかなくてはならないものです。

分譲であろうと賃貸であろうと、共同住宅に住むからには必要となる管理費。
では一戸建てには無いのかというと、これもまたそんなことはありません。
一戸建ての場合町内会費等があり、これが土地周辺の清掃・整備といった費用に充てられます(もちろん、町内会の行事にも)
マンションであろうと一戸建てであろうと、周辺環境の整備は必ずや必要になるので、その費用の支払いを避けていては分譲マンションや住宅地での暮らしは送れないとも言えるかもしれませんね。
人里離れた山奥で暮らすと言うなら、また別かもしれませんが・・・

分譲地の区画図の見方

分譲地の情報はもちろん不動産業者でも直接見られますが、新聞の折込チラシにもよく分譲地販売の広告が入れ込まれています。
それらの広告に載せられているのは、まず住宅イメージ図。
分譲地は購入者がこれからマイホームを建てるものなので、さすがにイメージ図は写真ではなくCGがほとんどです(サンプルとして建てられたモデルハウスの写真の場合もあります)

住宅の画像はあくまでもイメージ図なのであまり参考にはできませんが、分譲地の確実な情報として与えられているのが区画図です。
区画図とは分譲地の地図のようなもの。
道路と土地の並び、それぞれの土地の広さ、公園やゴミ収集所の位置、そして方角などが分かり易く簡潔に書かれています。
詳しい区画図の中には、電柱や標識の位置までも。

土地の面積は平方メートルを単位とした数字と坪数の両方で書かれていることが多いです。
分譲地のうち既に契約済みのところがあれば、そのように表記されています。
同じ分譲地内の土地とはいえ、並びの関係上土地それぞれで面積や縦横比が異なっているので、漠然としたものでも構わないので建てたいマイホームのイメージを持ちたいですね。
特に、道路と玄関の位置関係、建物と庭の位置、方角なども考慮して土地を選びたいものです。
こちらの方が広いからと、方角的に日当たりが悪くなる土地を選んでしまわないようご注意ください。

また、ゴミ置き場についてもご一考いただきたいところ。
分譲地において、ゴミ置き場は誰もがゴミ出ししやすく、また収集車が取りに来やすい位置にあります。
朝になれば何人ものご近所さんが通りかかり、時間になるとかならず収集車がゴミを回収していく・・・
そんなゴミ置き場の近くの土地は人によっては避けたいところかもしれませんね。

ただ、それを便利と思うこともできるでしょう。
ゴミ出しに時間がかかりませんし、人や車の通りは気になる程ではありません。
ゴミ置き場の管理や清潔さが気になるのであれば、そのときこそ一度確認を。
カラス被害の対策がしっかりとなされているかはチェックしておきたいものです。

地方の不動産事情

都内では分譲といえば分譲マンションですが、そんな傾向があっても、やはり地方になると分譲といえば分譲住宅や分譲地となるのは相変わらずです。
地方にはドーナツ化現象なんてものはありませんから、余程のことがない限り通勤に1時間も2時間もかかるなんてことはありません。
また、多くの人が車を所有しているため、電車やバスの便も関係ないのです。

そう、この車所有というのが、地方でマンションよりも戸建てを選ばせるひとつの要素にもなっています。
車を持っているなら必然的に駐車スペースも必要となります。
分譲マンションを購入するときには同時に台数分の駐車スペースも購入しなければなりませんが、それだってマンションに用意されているスペースには限りがあります。

そこのところ、分譲マンションではなく分譲地なら、駐車スペースは土地内に後付けできるのでそれほど困らないのです。
土地面積にも限りはありますけど、さすがに台数分が入らないような狭小地は分譲地にはありませんし、また最近ではインナーガレージの住宅も珍しくありませんからね。
車の所有率は地方であればあるほど高くなっています。
家族のうち18歳以上の者が全員車を所有している家庭もあるほどです。
この車所有というのが、住宅を決める重要な要素となることはもはや考えるまでもないでしょう。

そうでなくても、土地やマイホームこそがステータスになるというイメージは、地方であればこそ未だに根強く残っています。
これは文化や考え方の違いという単純なものではなく、ちゃんとした理由あってのこと。
地方から上京してきた人が多い都会とは違い、先祖代々その土地に住み続けているという人は地方には多いので、土地や住宅を持ち続けることに強い意味があるのです。

都内の不動産事情

地方では分譲といえば分譲地、あるいは分譲住宅のことになりますが、都内だと分譲といえば分譲マンションに他なりません。
その理由には、都内の場合土地そのものがなかなか無いということももちろんあるのですが、所有するには土地や一戸建てよりもマンションの方が何かと得だと考えられているためというのもあります。
かつては土地や住宅こそが資産として有効と考えられていたのですが、現在の不動産事情では必ずしもそうとはいえないのですね。

昔は集合住宅の一ヶ所に「住ませてもらっている」というイメージがあった分譲マンションですが、今では立派な自分の住まいとして考えられ、分譲マンションを購入することが一種のステータスにもなっているほどです。
また、そのマンションにも高級なものがあり、それを購入すれば尊敬さえも勝ち得られるほど。
それも、都内の分譲マンションというのがミソでしょう。

ドーナツ化現象と言われるだけあって、都心に居を構えることは容易ではありません。
しかし、なるべくなら通勤先から近い方が良いという考え方もあり、都心やその付近の分譲マンションは注目を集めています。
同時に、ベイエリアなど人気のエリアというのも考えられるようになってきていますね。
戸建て住宅と分譲マンションは、住み心地や快適さで比べれば大差ありません。
また、都内のものの価格を比較すると、これに関しても大きく差が生じることはないでしょう。
残った通勤のしやすさを比較したなら、都心のマンションと郊外の戸建てとでは、前者の方が魅力的なのは言うまでもありませんね。
もはや戸建てにこだわる意味というものが薄れてきているのかもしれません。

分譲マンションの広告の注意点

新築の分譲マンションは建設時から買い手の募集が始まります。
そのため、分譲マンションを購入しようと考えている人たちが見るのは、CGで描かれた建設完了予想図であったり、分譲マンションの一室を再現したモデルルームであったりしますね。

広告に描かれている分譲マンションの予想図は、とてもすっきりしていて綺麗に見えますね。
それもそのはず、写真ではないのですから、マンション以外の周囲の余計な建物は省かれています。
また、外観といっても晴れた日を想定した明るい色で描かれているのですから、綺麗に見えて当たり前です。
・・・まぁ、このあたりのことは単純に写真とCGの違いと考えられますが。

そうでなくとも、広告は顧客を募るための戦略的材料なのですから、人目を惹くように書かれていて当然のことです。
さすがに嘘のことまでは書かれていないでしょうが、やや誇大的な表現を使用したりと、見た者にとっては誤解してしまいがちであることは否めません。
上記の外観予想図だってそうです。
建物の図は全く違う物は描けませんが、あくまでも予想図のため寸分違わず同じ建物が完成するとは限りません。
また、建物以外の植栽はあろうとなかろうと加えるに制限はないのです。
周囲の建物は描かれていないことといい、植物が描かれていることといい、場合によってはごちゃごちゃした繁華街に建てられている分譲マンションであっても、緑が多くゆったりした住宅街の分譲マンションであるかのようにイメージしてしまいそうですね。

写真にしても、分譲マンションの周囲の環境を示すために街並みの写真が載せられていることがありますが、それも分譲マンションのすぐ近くとは限りません。
分譲マンションの航空写真が載っていても、ゴミ処理場があるはずの部分はうたい文句の文字で隠されているなんてこともあります。

写真やイラストといった、視覚的に植え付けられるイメージというものは強く印象に残ります。
実物とは全く違ったイメージを抱いたまま分譲マンションを購入してしまわないよう、ご注意ください。

分譲マンションについて

不動産の分譲には、前回ご説明したとおり分譲地と分譲住宅、そして分譲マンションがあります。
分譲住宅とは建売住宅のことであり、こちらの方が耳慣れている方は多いかもしれませんね。
建売住宅の、住宅が建てられていない状態で土地が売られていると、それが分譲地ということになります。

しかし、これらの分譲地、分譲住宅よりも、不動産の分譲といえば分譲マンションを連想する方が多いのではないでしょうか。
分譲マンションもマンションの一室を購入してしまえるものですが、マンションそのものや土地に関しては区分所有ですし、マンションのところどころは共有部分です。
管理は管理会社によってされていることもあれば、マンションのそれぞれの住民による自主管理の場合もあります。
また、部屋は購入してしまえても、マンションそのものの管理費や修繕積立金などは毎月納めなくてはなりません。

分譲マンションのそれぞれの部屋は専有部分となっています。
専有部分に限るなら、購入してしまった部屋ですからリフォームも可能です。
ただし、その専有部分がどこからどこまでなのか明確に理解しておく必要があります。
注意が必要なのは、例えば玄関扉。
内側は専有部分ですが、外側は共有部分です。
それから、ベランダ。
ベランダは使用に関しては専有できる部分ですが、勝手なリフォームは許されません。
どうしてここまで厳密に区別されているのかというと、マンションの価値に影響してしまうためです。
ベランダは外から見える部分ですから、勝手にリフォームするとマンションの外観を損ねてしまうおそれがあるのですね。

「分譲」と「賃貸」

分譲と賃貸は全く正反対の意味を持つ単語のように思われますが、これらを組み合わせた「分譲賃貸」という言葉もあります。
これはどういった意味でしょうか。
そもそも分譲とは何でしょうか。

分譲されている不動産には幾つかの種類があります。
よく聞くのは分譲マンションですね。
分譲マンションとは建物の一室を購入してしまうもので、なるほど確かに賃貸マンションとは全く異なっています。

同じく分譲住宅というものがありますが、これはいわゆる建売住宅のことです。

分譲地も分譲して売られている土地のことで、賃貸とは似ても似つかない販売形態ですね。
土地に住宅が建築されれば、上記の分譲住宅ということになります。
分譲住宅の場合は、住宅はもちろんのこと土地も同時に購入することになります。

マンションに賃貸マンションがあるように、住宅や土地にも賃貸住宅及び賃貸地なるものがあります。
賃貸住宅については借家と言い換えれば判りやすいでしょう。
賃貸地とはその名の通り借りられる土地のことですが、土地を借りてどうするのかというと、建物は自分で建てることが可能となっているのです。
ただし、建物を建ててしまうとすぐに返還というのは難しくなるため、賃貸にかかる条件は厳しく設定されています。

さて、そんな数々の賃貸と分譲の関係ですが、意味を異にするこれらが組み合わさった「分譲賃貸」とは何でしょうか。
分譲賃貸は主にマンションに対して使われている表現です。
簡単に言うと、分譲マンションを賃貸として利用している物件。
借主にとっては賃貸マンションとそれほど変わりない形態ですが、もともとが分譲マンションであるだけに建物の管理や設備の面では高いクオリティが期待されます。

不動産の分譲業

不動産事業のひとつに分譲業というものがあります。
分譲地や分譲マンションから予想されるとおり、分譲業とはひとつの建物(マンション)や土地を分割して販売する事業です。

この種の事業の特徴は、販売する予定の建物や土地をひとつのプロジェクトとすると、そのプロジェクトを完遂するまで長い期間を要してしまうことにあります。
というのも、分譲業は販売対象があればすぐに売り出せるものではないため。
まずは土地情報を入手して、販売前の事前調査を行い、建築物や事業について何らかを企画し、諸機関へ必要事項の認可を受ける・・・といった、非常に数多くの段階を経なくてはならないのです。
販売という実作業前でこれなのですから、プロジェクト完遂までにいったいどれほど長い期間をようするのか、想像に難くありませんね。

プロジェクトが長期に渡って行われるということは、その間に起こる地価変動の可能性といったリスクも背負うことになるということです。
こういった不測の事態に慌てず対応するためにも、長期であることを充分に考慮できる計画力が必要になります。

リスクの可能性が高い分譲業ではありますが、それでもここ近年の傾向を見てみると、なかなか良好な傾向にあるように思われます。
平成18年に取られたデータによると、この年の上半期のマンション販売戸数は前年同期を下回ってしまったのだとか。
しかし、それでさえ好調な水準を保っており、平成18年前期を除けば契約率や販売戸数は確実に増加しているのです。
特に、東京や大阪といった大都市においては売れ行きが好調であることは疑いありません。